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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

「母さんはからだばッかり大事にして、名誉も体面も情もちょっとも思ってくださらんのですな。あんまりです」

「武男、卿はの、男かい。女じゃあるまいの。親にわび言いわせても、やっぱい浪が恋しかかい。恋しかかい。恋しかか」

「だッて、あんまりです、実際あんまりです」

「あんまいじゃッて、もう後の祭じゃなッか。あっちも承知して、きれいに引き取ったあとの事じゃ。この上どうすッかい。女々しか事をしなはッと、親の恥ばッかいか、卿の男が立つまいが」

黙然と聞く武男は断れよとばかり下くちびるをかみつ。たちまち勃然と立ち上がって、病妻にもたらし帰りし貯林檎の籠をみじんに踏み砕き、

「母さん、あなたは、浪を殺し、またそのうえにこの武男をお殺しなすッた。もうお目にかかりません」

*

武男は直ちに横須賀なる軍艦に引き返しぬ。

韓山の風雲はいよいよ急に、七月の中旬廟堂の議はいよいよ清国と開戦に一決して、同月十八日には樺山中将新たに海軍軍令部長に補せられ、武男が乗り組める連合艦隊旗艦松島号は他の諸艦を率いて佐世保に集中すべき命を被りつ。捨てばちの身は砲丸の的にもなれよと、武男はまっしぐらに艦とともに西に向かいぬ。