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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

言いすてて武男は乱れうつ胸をいたずらにおし静めつつ足早に甲板に上れば、人影走せ違い、呼笛鳴り、信号手は忙わしく信号旗を引き上げおり、艦首には水兵多くたたずみ、艦橋の上には司令長官、艦長、副長、参謀、諸士官、いずれも口を結び目を据えて、はるかに艦外の海を望みおるなり。その視線を趁うて望めば、北の方黄海の水、天と相合うところに当たりて、黒き糸筋のごとくほのかに立ち上るもの、一、二、三、四、五、六、七、八、九条また十条。

これまさしく敵の艦隊なり。

艦橋の上に立つ一将校袂時計を出し見て「一時間半は大丈夫だ。準備ができたら、まず腹でもこしらえて置くですな」

中央に立ちたる一人はうなずき「お待ち遠様。諸君、しっかり頼みますぞ」と言い終わりて髯をひねりつ。

やがて戦闘旗ゆらゆらと大檣の頂高く引き揚げられ、数声のラッパは、艦橋より艦内くまなく鳴り渡りぬ。配置につかんと、艦内に行きかう人の影織るがごとく、檣楼に上る者、機関室に下る者、水雷室に行く者、治療室に入る者、右舷に行き、左舷に行き、艦尾に行き、艦橋に上り、縦横に動ける局部の作用たちまち成るを告げて、戦闘の準備は時を移さず整いぬ。