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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

本当にこのころは一年に年の十もとりましたのですよ。

そうするうちに、良人も陸軍に召し出さるるようになって、また箱根をこえて、もう東京ですね、その東京に帰ったのが、さよう、明治五年の春でした。その翌春良人は洋行を命ぜられましてね。朝夕の心配はないようになったのですが、姑の気分は一向に変わりませず――それはいいのでございますが、気にかかる父の行くえがどうしてもわかりません。

良人が洋行しましたその秋、ひどい雨の降る日でしたがね、小石川の知己までまいって、その家で雇ってもらった車に乗って帰りかけたのです。日は暮れます、ひどい雨風で、私は幌の内に小さくなっていますと、車夫はぼとぼとぼとぼと引いて行きましょう、饅頭笠をかぶってしわだらけの桐油合羽をきているのですが、雨がたらたらたらたら合羽から落ちましてね、提灯の火はちょろちょろ道の上に流れて、車夫は時々ほっほっ太息をつきながら引いて行くのです。ちょうど水道橋にかかると、提灯がふっと消えたのです。車夫は梶棒をおろして、奥様、お気の毒ですがその腰掛けの下にオランダ付け木(マッチの事ですよ)がはいっていますから、というのでしょう。