Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
「何かい、老爺はもうよっぽど長く留守をしとるのか?」
「いいや、何でごぜエますよ、その、先月までは奥様――ウンニャお嬢――ごご御病人様とばあやさんがおいでなさったんで、それからまア老爺がお留守をいたしておるでごぜエますよ」
「それでは先月帰京ったンだね――では東京にいるのだな」
と武男はひとりごちぬ。
「はい、さよさまで。殿様が清国からお帰りなさるその前に、東京にお帰りなさったでごぜエますよ。はア、それから殿様とごいっしょに京都に行かっしゃりました御様子で、まだ帰京らっしゃりますめえと、はや思うでごぜエますよ」
「京都に?――では病気がいいのだな」
武男は再びひとりごちぬ。
「で、いつ行ったのだね?」
「四五日前――」と言いかけしが、老爺はふと今の関係を思い出でて、言い過ぎはせざりしかと思い貌にたちまち口をつぐみぬ。それと感ぜし武男は思わず顔をあからめたり。
ふたり相対いてしばし黙然としていたりしが、老爺はさすがに気の毒と思い返ししように、
「ちょいと戸を明けますべえ。旦那様、お茶でも上がってまあお休みなさッておいでなせエましよ」
「何、かまわずに置いてもらおう。