Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
されば南シナ海の低気圧は岐阜愛知に洪水を起こし、タスカローラの陥落は三陸に海嘯を見舞い、師直はかなわぬ恋のやけ腹を「物の用にたたぬ能書」に立つるなり。宇宙はただ平均、物は皆その平を求むるなり。しこうしてその平均を求むるに、吝嗇者の日済を督促るように、われよりあせりて今戻せ明日返せとせがむが小人にて、いわゆる大人とは一切の勘定を天道様の銀行に任して、われは真一文字にわが分をかせぐ者ぞ」とある人情博士はのたまいける。
しかし凡夫は平均を目の前に求め、その求むるや物体運動の法則にしたがいて、水の低きにつくがごとく、障害の少なき方に向かう。されば川島未亡人も三十年の辛抱、こらえこらえし堪忍の水門、夫の棺の蓋閉ずるより早く、さっと押し開いて一度に切って流しぬ。世に恐ろしと思う一人は、もはやいかに拳を伸ばすもわが頭には届かぬ遠方へ逝きぬ。今まで黙りて居しは意気地なきのにはあらず、夫死してもわれは生きたりと言い顔に、知らず知らず積みし貸し金、利に利をつけてむやみに手近の者に督促り始めぬ。その癇癪も、亡くなられし男爵は英雄肌の人物だけ、迷惑にもまたどこやらに小気味よきところもありたるが、それほどの力量はなしにわけわからず、狭くひがみてわがまま強き奥様より出でては、ただただむやみにつらくて、奉公人は故男爵の時よりも泣きける