Japanische Klassiker mit Furigana
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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme
「おいでになりません」
「ああ、すると、やっぱり、悪漢たちの計略にかかったのですな。豊を連れてゆかれた上に、三万円の金までとられて、私は一体どうなるでしょう」
私は、富田氏のこの言葉を聞いて、何と言って慰めてよいかに迷いました。しかし、私も俊夫君を失った悲しさは同じです。私はぐずぐずしていられないと思いましたから、
「さっき俊夫君から電話がかかったとおっしゃいましたが、たしかにそれは俊夫君の声でしたか」
と尋ねました。
「実は電話には家内が出たのでした」
それから私は、私の遭難の顛末を物語り、富田氏も夫人の出てゆかれるまでの詳しい事情を語りました。
「夫人を乗せていった自動車は分かりましょうね?」
と私は尋ねました。
「無論わかります。近所のタクシー会社から雇ったのですから」
「それでは、今お宅へ電話をかけてくださって、そのタクシーが夫人をどこまで乗せていって、どういう目にあったか聞いてもらってください」
富田氏は自宅へ電話をかけて女中を呼びだし、用事を告げました。富田氏が女中に尋ねられたところによると、夫人はまだ帰宅はされないとのことでした。
いよいよこれは、捨てておくべき事件ではないと思って、私は、富田氏と、警察の援助を乞うてはどうだろうかと相談しました。