Japanische Klassiker mit Furigana
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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme
すなわち留吉の眼は猫よりも鋭く、またその鼻は犬よりも敏いのであります。そのうえ彼は筋力にもすこぶる恵まれておりまして、一口にいえば、猩猩のように強かったのであります。彼は人間の話す言葉を解することができぬと同時に、人間の使う言葉を話すことができませんでした。したがって彼は、顔や形こそ人間ですけれど、その性質はむしろ動物に近いといった方が早わかりであります。
村の人はそれゆえ、彼を指して「人間の猫」だといいました。東京に近い地方でありながら、村の人たちはかなりに迷信深く、彼の生まれたのは、彼の祖父が猫を殺した祟りだと解釈しました。実際、彼は鼠こそ捕りませんでしたが、魚の姿を見ると、その魚が誰の手にあっても、すぐ飛びかかっていって奪い取り、生のまま、むしゃむしゃ食べるのでした。
たまたま、彼の家の前を、魚を携えて通る者があると、それを嗅ぎつけて、家の中から走りだし、あっという間に盗ってゆくので、村の人々は、魚釣りの帰りなどにはけっして彼の家の付近を通りませんでした。なおまた、彼は二三日魚を食べないと、たとい雪の降る日といえども、川の中へ飛び込んで、巧みに魚を捕らえてきては貪り食べました。