Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme
身には木の葉を着ているとある。これは『扶桑怪談実記』の誌すところであって、その姿ありともなしとも定まらずなどと至って漠然たる話ながら、山働きの者おりおり油断をすると木の子に弁当を盗まれることがあるので、木の子見ゆるや否や棒をもってこれを追い散らすを常とすともあれば、少なくとも多数の者が知っていたのである。このほかにも秋田の早口沢の奥に鬼童という者の住むことは、『黒甜瑣語』三編の四に見え、土佐の大忍郷の山中に、笑い男という十四五歳の少年が出て笑うことが、『土州淵岳志』に書留めてある。それが誇張でありもしくは誤解なることは、細かに読んで見ずとも断定してよいのであるが、こういう偶然の一致がある以上は、誤解にもなお尋ぬべき原因があるわけである。
その上にまた時としては、誤解とも誇張とも考えられぬ場合もある。これは南方熊楠氏の文通によって知ったのだが、前年東部熊野の何とか峠を越えようとした旅人、不意に路傍の笹原の中から、がさがさと幼児が一人這い出してきたのを見てびっくりして急いで山を走り降った。それから幾日かを経て同じ山道を戻ってくると、今度はその子供が首を斬られて同じあたりに死んでいたのを見たという。