Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やまのじんせい

山の人生

柳田 国男

Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

山中笑翁が前年駿州田代川の奥へ行かれた時、奥仙俣の杉山忠蔵という人が、その父から聴いたといって語った話の中に、若い時から猟がすきで、毎度鹿を追うて山奥に入ったが、真に怖ろしくまた不思議だと思った事は、生涯に二度しかない。その一度は山中の草原が丸太でも曳いて通ったように、一筋倒れ伏しているのを怪しんで見ているうちに、前の山の樹木がまた一筋に左右に分かれて、次第に頂上に押し登って行ったこと、今一度は人の足跡が土の上にあって、その大きさが非常なものであった。かねてこんな場合の万一の用意に、持っている鉄の弾丸を銃にこめて、なお奥深く入って行くと、ちょうど暮方のことであったが、不意に行く手の大岩に足を踏みかけて、山の蔭へ入って行く大男の後姿を見た。その身の丈が見上げても目の届かぬほどに高かった。あまり怖ろしいので鉄砲を打ち放す勇気もなく還ってきたと語ったそうである。昨今は既に製紙や枕木のために散々に伐り荒されたから事情も一変したが、以前はこの辺から大井の川上にかけては、山人に取っての日高の沙留ともいうべく、最も豊富なる我々の資料を蔵していた。安倍郡大川村大字日向の奥の藤代山などでも、かつて西河内の某という猟師が、大きな人の形で毛を被った物を、鉄砲で打ち留めたことがあった。