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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまのじんせい

山の人生

柳田 国男

Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「大井川の奥なる深山には山丈といふ怪獣あり。島田の里人に市助といふ者、材木を業として此山に入ること度々なり。或時谷畠の里を未明に立ち、智者山の険岨を越え、八草の里に至る途中、夜既に明けんとするの頃深林を過ぐるに、前路に数十歩を隔てゝ大木の根元に、たけ一丈余の怪物よりかゝるさまにて、立ちて左右を顧みるを見たり。案内の者潜かに告げて言ふ。かしこに立つは深山に住む所の山丈と云ふもの也。彼に行逢へば命は測り難し。前へ近づくべからず又声を揚ぐべからず、此林の茂みに影を匿せと謂ふ。市助は怖れおびえて、もとの路に馳せ返らんと言へど、案内の者制し止め、暫時の間に去るべければ日の昇るを待てと言ふまゝに、せんすべ無く只声を呑みてかたへに隠る。其間にかの怪物、樹下を去りて峯の方へ疾走す。潜かに之を窺ふに、形は人の如く髪は黒く、身は毛に蔽はれたれど面は人のやうにて、眼きらめき長き唇そりかへり、髪の毛は一丈余にてかもじを垂れるが如し。市助は之を見て身の毛立ち足の踏みどを知らず。されど峯の方へ走り行くを見て始めて安堵の思ひを為し、案内と共にかの処に来りて其跡を閲するに、怪獣の糞樹下にうづたかく、その多きこと一箕ばかりあり、あたりの木は一丈ほど上にて皮を剥きさぐりたる痕あり。