Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまのじんせい

山の人生

柳田 国男

Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

そうすると我々が三輪式神話の残影と見ている竜婚・蛇婚の国々の話の中にも、存外に起原の近世なるものがないとは言われぬ。例えば上州の榛名湖においては、美しい奥方は強いて供の者を帰して、しずしずと水の底に入って往ったと伝え、美濃の夜叉ヶ池の夜叉御前は、父母の泣いて留めるのも聴かず、あたら十六の花嫁姿で、独り深山の水の神にとついだといっている。古い昔の信仰の影響か、または神話が本来かくのごとくにして、発生すべきものであったのか、とにかくにわが民族のこれが一つの不思議なる癖であった。

近ごろ世に出た『まぼろしの島より』という一英人の書翰集に、南太平洋のニウヘブライズ島の或る農場において、一夜群衆のわめき声とともに、頻に鉄砲の音がするので、驚いて飛び出して見ると、若い一人の土人が魔神に攫まれて、森の中へ牽いて行かれるところであった。魔神の姿はもとより何ぴとにも見えないが、その青年が右の手を前へ出して踏止まろうと身をもがく形は、確かに捕われた者の様子であった。他の土人たちは声で嚇し、かつ鉄砲をその前後の空間に打ち掛けて、悪魔を追い攘おうとしたがついに効を奏せず、捕われた者は茂みに隠れてしまった。