Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
常三が前のほうへ出てきて言った。
「乗っていけないと言ったら下りろ!」
声高に叫ぶと同時に、敬二郎は長い鞭を浪岡の尻に振り当てた。不意を食らって、浪岡は嵐のように狂奔した。瞬間、正勝の手の猟銃が引き裂くような音を立てて鳴った。浪岡はなおも激しく狂奔した。しかし、正勝は長靴の脚で馬の胴を締め、左手で手綱を捌いて、彼ら三人の間へと割り込んでいった。
「下りなけりゃあ撃つぞ!」
常三は馬上の正勝に銃先を向けた。
「撃てるなら撃て!」
瞬間、正勝は馬首を変えて、ぴゅっと開墾場のほうへ向けて駆けだした。
「逃げるのか?」
平吾が横からそう声をかけて栗毛の馬に拍車を入れ、正勝の後を追おうとした。
「平さん! 平さん! この鉄砲を持っていけよ」
常三が駆けていって、馬上の平吾に鉄砲を渡した。
「きみたちもすぐ後から来てくれ」
平吾は鉄砲を受け取りながら言って、すぐ正勝の後をいっさんに追っていった。
4
敬二郎と松吉とは真っ青になりながら、顔を見合わせた。
「どうする?」
「追いかけましょう」
「おい! 追っかけよう。野郎を谷底へ投げ込んでしまえ?」
常三がそう叫びながら、二人の前に駆け戻ってきた。