Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
結婚なんか来年でも再来年でも、いつでもいいと思うわ」
「紀久ちゃんはそう思っているのか?」
敬二郎は驚きの目を瞠って言った。彼の胸は潮騒のように忙しく乱れていた。彼は紀久子の顔から、いつまでも目を離すことができなかった。
「結婚なんか、だってしようと思えば明日にでもできることなんだから」
「それはそうだがね。しかし、ぼくらが結婚してしまわないうちは正勝の奴、気持ちは静まらないと思うがなあ。奴は紀久ちゃんと結婚して、森谷家の財産の半分は開墾地の人たちへ分けてやることを考えているらしいから。考えているだけじゃなく、他人にももうその話をしているそうだから」
「それは、財産のほうなら半分ぐらい正勝に上げてもいいわね」
紀久子は極めてあっさりと言った。
「紀久ちゃん! 紀久ちゃんはそんなことを、本気に考えているのかい? もしそんなことが正勝の耳へでも入ったら、きゃつはどんなことをするか分からないよ」
敬二郎は驚きのあまり、手綱を手操りながら言った。
「だって、敬さんはわたしと結婚するんでしょう?」
「しかし、正勝の奴も紀久ちゃんと結婚をして……」
「そんなことできないわ。