Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
穀類で借金を返してしまえば、おれらはもうなにも食うものがねえでがすがね」
初三郎爺がよろよろと立ってきて言った。
「その借金というのは、いったい幾ら借りてるのかね?」
「七十円だけ借りたのですが、利子がついて百円近くになってるのでがすがね」
「それならおれが払ってやるから、心配しなくてもいい」
正勝は気安く言って、ふたたび筆に墨を含めた。
「正勝さん!」
長松爺が首を傾げながら、怪訝そうに言った。
「正勝さんがそうして手紙をやると、森谷のお嬢さまは金を寄越すのかね? 冗談でなく、本当に寄越すのかね? そんな大金をよ?」
「寄越すから手紙をやるんじゃないか。寄越すか寄越さねえか当てのねえところへ、いくらおれだって手紙なんかやらねえさ。論より証拠だ。持ってくるかこねえか、ここにいて見てればいいや」
「大したもんだなあ。手紙一本で森谷のお嬢さまが金を届けて寄越すなんて、夢のような話じゃねえか」
「お嬢さまは正勝さんのほうへ、夢中になっているんだべよ」
喜代治が言った。
「夢中になっているかどうか知らねえが、おれが手紙をやれば紀久ちゃんは自分で持ってきてくれる。紀久ちゃんはもう、おれの言うことならなんだって聞くんだから」