Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
「なんでもねえかなあ?」
「なんでもねえとも。しかし、三、四日は乗れねえなあ。北斗かなんかに乗りゃあいいじゃねえか?」
「また親父に怒鳴られるなあ」
「隠しておきゃあいいじゃねえか。三、四日のことだもの」
そして、松吉はややもすれば駆けだそうとする栗毛の手綱を引き締め、正勝は跛を引く葦毛を曳いて、放牧場の斜面を新道路のほうへと下りていった。
「どうかしたのか?」
平吾が黒馬の上から声をかけた。平吾はそうしているうちにも、いま捕まえたばかりのサラブレッド系の新馬浪岡が思うように手綱につかないので、困り切っていた。
「なんでもねえ。前脚の筋が少し伸びたらしいんだ。ほんで乗れねえんだよ」
「おい! ほんじゃ、この浪岡をおまえが曳っ張っていけ。新馬も曳っ張らねえで歩いていくと、親父がまたなんかかんか言うから」
「それさなあ。ほんじゃ、その浪岡をおれさ寄越せや」
そして、正勝は浪岡の首についている細引を平吾から受け取った。
平吾は新馬を正勝に渡して手軽になると、松吉と並んで馬を駆けさせた。正勝はうるさくぐるぐると縺れる精悍な新馬を縺れないように捌きさばき、草原の斜面を下りていった。