Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
おれらの親父は過ってあの谷底へ落ちたんでも、自殺したんでもねえんだ。突き落とされたんだ。自分の財産のために、自分の財産を肥やすために、おれらの親父を突き落とした奴がいるんだ。おれらの親父は開墾地の小作人たちのために、正義の道を踏もうとして地主の奴から谷底へ突き落とされたってこたあ、おればかりじゃなく、だれだって知っていることなんだ」
「地主のために? てめえはそれじゃ、てめえの親父を殺したのがおれだっていうのか?」
喜平はさすがに顔色を変えながら叫んだ。
「もちろん!」
正勝は鋭く太く叫び返した。
「そんな馬鹿なことがあるもんか? てめえの親父とおれとは、兄弟のようにしていたんだぞ」
「兄弟のようにして、ほとんど共同事業のようにして牧場と農場とを始めて、それが成功しかけてくると、相手がいたんではそれから上がる利益が自分の勝手にならねえもんだから邪魔になってきて、そのためにってこたあだれだって知っているんだ。利益の分配のことについてだけだったら、場合によっちゃあ秘密に隠しおおせたかもしれねえさ。しかし、おれらの親父は小作人たちには味方していたんだ。小作人たちが内地から移住してきたときに、開墾について小作人たちに約束したことは、生命に懸けても枉げようとなんかしていなかったんだ。