Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme
岡山までの切符を買ってやる。
薄い灯の下に、下ノ関行きの急行列車が沢山の見送り人を吸いつけていた。
「四五日内には、前借りをしますから、そしたら、送りますよ。しっかりして行っていらっしゃい。しょぼしょぼしたら馬鹿よ。」
母はくッくッ涙をこぼしていた。
「馬鹿ね、汽車賃は、どんな事しても送りますからね。安心して、お祖母さんのお世話していらっしゃい。」
汽車が出てしまうと、何でもなかった事が悲しく切なく、目がぐるぐるまいそうだった。省線を止めて東京駅の前に出る。
長い事クリームを塗らないので、顔が、ヒリヒリする。涙が止度なく馬鹿みたいに流れる。
信ずる者よ来れ主のみもと……
遠くで救世軍の楽隊が聞える。何が信ずるものでござんすかだ。自分の事が信じられなくて、たとえイエスであろうと、お釈迦さんであろうと、貧しい者は信じるヨユウがない、宗教なんて何だ。食う事に困らないものだから、街にジンタまで流している。
信ずる者よ来れ……。まだ気のきいた春の唄がある。
いっそ、銀座あたりの美しい街で、こなごなに血へどを吐いて、××さんの自動車にでもしかれてやろうか。
いとしいお母さん、今貴女は戸塚、藤沢あたり、三等車の隅っこで何を考えています、どの辺を通っています……。