Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme
」
お芳さんが米も、煮えているカレーも炭も買ってくれたんだと云って十子がかいがいしく茶ブ台に茶碗をそろえていた。
久し振りに明るい気持ちになる。
敷蒲団がせまいので、昼夜帯をそばに敷て、私が真中、三人並んで寝る事にした。何処か三畳の部屋いっぱいが女の息ではち切れそうな思いだった。
高いところからおっこちるような夢ばかり見る。
三月×日
新聞社に原稿あずけて帰えって来ると、ハガキが一枚来ていた。
今夜来ると云う、あの男からの速達だ。
十ちゃんも芳ちゃんも仕事を見つけに行ったのか、部屋の中は火が消えたように淋しかった。
あんな男に金を借してくれなんて言えたもんではないじゃないか。十ちゃんに相談してみようかしら……。
妙に胸がさわがしくなる。
あのヴァニティケースだって、ほてい屋の開業日だって云うので、物好きに買って来た何割引きかのものなのなんだ。そうして、偶然に私の番だったので、くれたようなものゝ、別にあっちからも、こっちからも路傍の人以外に、何でもありはしない。
あんなハガキ一本で来ると云う速達、それにあっちの人はもうかなりな年だし、私は歯がズキズキする程胸さわがしくなってしまった。