Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

歯が金物のようにガチガチ鳴った。

私がそんな事をいつたのんだ! 馬鹿馬鹿こんなにも、こんなにもあの十八の女はもろかったのか!

目が円くふくれ上がって、見えなくなる程泣きじゃくった私は、時ちゃんへ向って呼んで見た。

所を知らせないで。浅草の待合なんて……。

四十二の男!

きもの、きもの。

指輪もきものもなんだ真念のない女よ!

あゝでも、野百合のように可憐であったあの姿、きめの柔かい桃色の肌、黒髪、あの女はまだ処女であった。

何だって、最初のペエセをそんな、浮世のボオフラのような男にくれてやってしまったんだろう……愛らしい首を曲げて、

春は心のかはたれに……

私に唄ってくれたあの少女が……四十二の男よ呪ろわれてあれ!

「林さん書留めですよッ!」

珍らしく元気のいゝ叔母さんの声に、梯子段に置いてある日本封筒をとり上げると、時事の白木さんからの書留め。

金弐拾参円也! 童話の稿料。

当分ひもじいめをしなくてすむ。胸がはずむ、狂人水を呑んだようにも。でも何か一脈の淋しい流れが胸にあった。

嬉しがってくれる相棒が、四十二の男に抱かれている。

白木さんの手紙。

いつも云う事ですが、元気で御奮闘を祈る。