Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

じっと両側の岩を見ていますと、進むにしたがって、その幅が少しずつ広くなって行くような気がします。

「アア、もう大丈夫だよ。この谷底をぬけてしまえば、きっと平地に出るんだ。ごらん、空の星がだんだんふえて来るじゃないか。それだけ谷間が広くなって行くんだよ」

「ほんとだ。夜があける頃には、どっかの岸へあがれるかもしれないね。よかったねえ。僕はもう、ほんとうに死ぬんだと思ったよ。助った、助った、神様にお礼を言わなくっちゃ」

保君はそう言って、妙なふしをつけて、お祈のような文句を長々とつぶやいていましたが、それがおわると、びっくりするような声をはりあげました。

「アー、おなかがへった。早く何かたべなくっちゃ」

それを聞くと、ほかの二人も、にわかに空腹を感じました。今までは無我夢中で、腹のへったことなど、考えているひまもなかったのですが、もう助かったと安心したせいか、むやみに何かたべたくなって来たのです。

そこで、三人は、まだ筏の上に残っていた食料品を手さぐりで拾いあつめて、闇の中の食事をはじめました。あぶった鳥の肉、パンの木の実、あまい果物など、何をたべても、頬がちぎれるほど、おいしいのです。