Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
床が皆急な坂のようにかたむいているのですから、むろん立って歩くわけには行きません。物につかまって、這うようにして見まわったのです。
ところが、不思議なことに、もしやと思っていた人の死骸などは、どこにも見あたりません。むろん生きた人間など影も見えないのです。艫の方の水につかっている部分へは、入ることが出来ませんけれど、でも、水をすかしてのぞいて見たところでは、そちらの方にも死骸があるように思われません。
「へんだねえ。どうしたんだろう。これは何年も前に沈んだ船かしら」
一郎君が不思議そうにつぶやきました。
「そんなことはないよ。いろんな道具がまだ新しいんだから、そんなに古い沈没船じゃないよ。……ア、わかった。きっとそうだ。この船が岩にぶつかって沈んだものだから、船員はみんなボートに乗って逃げだしたんだよ。そして、そのボートがまた転覆して、一人も残らず死んでしまったのかも知れないよ」
哲雄君がもっともらしい意見を持ち出しました。なるほど、その外にはちょっと考え方がないわけです。
すると、その時、むこうの部屋の中から、チャメの保君が、大きな声で叫んでいるのが聞えて来ました。