Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「なんだ、市松」
「こっちを向いて返辞をしろ。書ばかり読んでいないで」
「読んでいてもいいだろう」
「ここは寺子屋ではない」
「うるさいな。何の用さ」
「みんなも聞いていてくれ。おい、助作、孫六、甚内、聞いていろよ」
「聞いているよ。於虎に何をいうのか」
「この頃、生意気ぶっておるから、云い聞かせておくのだ。こら於虎、貴さま少し成人したと思って、悪くなったぞ」
「どうして」
「御加増になったと思って、急に威張っておるじゃないか」
「たれが威張ってなどいるもんか」
「いや、大きな面をしている。怪しからん」
「そう見えるのだろ」
「みんなもいっている。わしだけの言葉じゃない。御加増になっても、貴さまはまだおれの下役だぞ。……洲股城におった頃、貴さまは青洟を垂らして、母親の手にひかれて来たろう。あの頃のこと忘れるなよ」
「たれだって、小さい時は、洟を垂らすさ。それがどうしたい」
「みろ、その口ぶりからして、生意気になったことを! われわれだって、いまにみろ、きっと、大きなてがらをあらわして、貴さまなぞ、見返してみせるから」
「おう、結構だ。どんな功名かしらぬが、立ててみせてもらいたい」