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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「奥平家の士、鳥居強右衛門というか」

「……はい」

「いつ城を脱出したか」

「日はよく覚えませんが、三、四日前でございます」

「目的は」

「主人貞昌の書面を携え、岡崎の御城中まで参りました」

いかにも神妙なていである、この男は、いったい物事を秘すということを知らない愚直者かしらと、糾問に当った勝頼もすこし張合いのない程であった。

「――では。貞昌の書面は、そちの手から家康へ届いたわけだな」

「はい。奥平貞能様のお取次をもちまして」

「賞められたか」

と、勝頼は訊いた。

彼は、見るからに善良な、そして何を質問しても隠さないこの一捕虜にいつか軽い揶揄を試みたり、皮肉な微笑を見せなどして、糾問に当っているのであった。

強右衛門は、そう訊かれると、やや得意気に、

「はい。家康様直々に、お賞めのおことばをいただき、その上、お菓子など賜わりました」

と、答えた。

勝頼は突然、傍らにいた穴山梅雪や、跡部大炊などを顧みて、大口開いて、

「こやつは、珍重すべき正直者じゃぞ。ははははは。いや愛すべきやつじゃ。菓子を戴いたと歓んでおる――」

そしてまた、眼下の者を見て、こういった。

「何と家康は無慈悲ではないか。