Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

(来れッ、甲軍の精猛)

と、余裕の程を示している。

――が、これは進撃の備えではない。信長のいうが如く敵を殲滅するには、この柵へ敵軍を寄せつけることが絶対の条件となる。恐らくは、そのための誘いであろう、佐久間信盛の一隊と、大久保忠世の銃隊の一部は、柵外に出て、敵を待ちうけていた。

わあッと、暁の空に向って、突然、諸声があがった。まだ敵と接するには不意過ぎた。鳶ヶ巣方面に立ち昇った黒煙を見出したのである。

この焔炎は、ここからは正面に見えたが、甲州全軍の備えから見れば後方にあった。甲軍の愕きはいうまでもない。

「すわ。敵は後ろにも働いておるぞ」

「後方へ敵が迫った!」

蔽い難い動揺の中に、主将勝頼は、

「一刻の猶予もすな。敵を待つは敵に思いのまま有利な配備をさせるに過ぎぬ」

断乎、進撃を命じた。

彼の自信と、それによってうごく甲軍全体の信念は、

「知らずや、信玄公以来、不敗の名あるわが武勇を」

というそれだけであった。

何ぞはからん。この時を境として観ても、時代はあきらかな推移を告げていたのだ。文化は駸々と進んでいる。西力――南蛮船による文化の東漸は――火薬、鉄砲などの武器に大変革を起していたのである。