Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「然るに、明智どのには、そう軽くおとり下さらず――何かわたくしが、他人の智をぬすんで、自分の功としたかの如く――私を憚っての今の御返辞は、ちと、心外に聞えました。……いつか宿直の折、光秀どの御自身のおことばでは、大内城、里見城などの天守の写し図も、角倉なにがしの墨縄の秘書なども、すべて、お手許に御秘蔵とか聞きました。それなのに、何を御遠慮あって、私ごとき若年者におたずねあれなどと――殿へお答えなされるか。蘭丸、まことに当惑いたしまする」
まだ童形をしている蘭丸なので、つい眼に騙されて子どもと見る。ところが、事実はもう立派な若者だし、ものいえば、戦国の策士、三国の謀士なども、三舎を避けるばかり、ことばの隅々まで、智慧がゆき届いている。
「そうか、光秀」
信長に、顔を見られて、かれはその面を、何気なく装っていられなかった。
「……はッ」
といったまま、あとのことばに詰まった。遥か、年下の蘭丸とはいえ、こころのうちで恨まずにいられない――。
なぜならば。
彼がわざと、築城に対する自分の意見をいわず、蘭丸こそ、その方面に造詣がふかいといったのは、信長の寵を知っているので、彼に花を持たせるべく、ひそかに好意を示したつもりだった。