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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

光秀は、かりそめにも、主君に虚言をいったことを自責して、その問題はそれですんでいながら、自分だけは苦しげであった。

諸州の城の批評、世間ばなしなどに移って、信長の機嫌は決してわるくなかった。晩餐を賜わって、彼は何の不首尾もなく退った。尠なくも、不首尾ではなかった。

あくる朝、信長は、二条を出発した。――その朝、母の禅尼の部屋をたずねて、

「お支度はできましたか」

と、見舞った蘭丸は、忙しげにしている母のそばへ寄ってそっと囁いた。

「母うえ、あなた様が、諸方の仏院へ出入りして、お味方の軍機を、門徒方の僧へもらす惧れがあると殿へ告げたものは、たしかに光秀であると、弟の坊丸からも、ほかの側衆からも聞いていましたので、きのうは、惟任どのが出仕されたのを幸いに、いささか一矢を酬いておきました。……とかくわれわれ母子の者は、父がなく、そして殿の恩寵は人いちばい篤う受けておりますから、嫉まれるおそれがあります。どうか人にお心をゆるされぬように、母うえにもご注意あそばしませ」

妙光尼は、だまって頷いた。主君の寵があればある程、六人の子を擁して、人なかに生きてゆくことは、よほど気丈が要る。