Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
信長は、彼にも理由のあることかも知れぬと、北陸陣の諸将が帰るのを待ってから裁くつもりでいたが、
「柴田どのの御立腹はひと通りではない」
とか、
「筑前どのも、ちと短気だ。陣中から引き揚げてしまうなどは。……あれでは、大将たるものの顔も立つまい」
などという風聞もしきりに聞えて来るので、
「事実、筑前は、長浜へ帰っておるのか」
と、侍臣をして調べさせたところ、
「されば至極、洒然として、長浜においでの由でございます」
と、いうことだった。
信長は、逆鱗して、
「不届きな振舞い、ともあれ、謹慎申しつけい」
と、厳重な使者をやった。
やがて、帰って来た使者に、
「秀吉は、どんな顔しておったか、予の問責を聞いて」
「ははあ……というような顔しておりました」
「それだけか」
「当分、静養か、とつぶやいておりました」
「不敵なやつ。増長しおる」
最高な辞をもって、罵りながら、信長の眉には、まだ少しも、秀吉を真から憎んでいるような色は出ていなかった。
けれど。
やがて、勝家以下、北征の諸将も帰って来た頃、彼も、ほんとに怒った。
さきに、幽閉を申しつけてあるのに、その秀吉は、長浜城にあって、謹慎どころか、日夜、飲酒高会し、或る夜のごときは、大湖にのぞむ大広間をあけひろげ、千燭を燦かして、小姓たちには金扇銀扇をもたせて舞い競わせ、自分も鼓