Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
男の肚のそこには、いったい何が潜んでいるやら?
連れ添ってからもう十六、七年にはなる。寧子も三十をこえ、良人はことし四十二。
彼女も今では、朝々の良人の苦い顔つきにも、単なる不機嫌とばかりには、受け取れない――安んじきれない年頃の――いわゆる世話女房となっていた。
その不機嫌にも、怖れると共に、もっと痛切に妻として希うことは、どうかして、良人の悩みを、少しでも分け持って、その苦悩をいささかなりと慰めてあげたいということだった。
けれど、男性の表現は、妻から見ると、全くつかみどころがなかった。いかなる不満がその裡にあるのやら、どんな苦悩が肚の底に横たわっているのやら、言葉や表現で説明はしてくれないのである。――こんな時に、そうした良人の力とも相談相手ともなれないことも、妻にとっては、男の悩みに勝る悩みでもあった。
時には大へん上機嫌なこともあるが、時には、腫れ物に触るような気づかいをさせられる日もある。そういう点は秀吉も、世間の良人とすこしも変りがない。
「御無理な」
と、寧子も、世間なみの妻のように、余りな良人のわがままや薄情らしい仕打ちに、つい、恨みがましい涙を見せたりすると、女の涙には至って弱い秀吉なので、