Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
と、遠くに、ひざまずいて、茄子畑の主君に告げた。
「そうか。然るべく、おもてなし申しておけ」
秀吉は、そういって、取次を帰すと、母と共に、茄子をもぎ始めた。
「なかなかよく実っておりますな。畝の肥も、母上がお手ずからおやりになりましたか」
「そのようなこと、いずれでもよい。信長様からのお使いとあるに、早うお目にかからねば悪かろう」
「いえ。およそお使者の旨は、分っておりますから、あわてるには及びません。……少し茄子をいで、朝露の艶やかな瑠璃色を、信長公のお目にかけようかと存じまして」
「このような物を、何でお使者の土産づとに」
「いえいえ、今朝ほどは、自分が持参いたすので」
「え。そなたが」
勘気をうけて謹慎中にある者が――と、老母は、なお今朝の秀吉を疑い、むしろ思い過して、不安をすらおぼえた。
すると、やがてまた。
「殿。……お越しを」
と、竹中半兵衛が、彼を促しに来た。秀吉はようやく、茄子畑を立って、
「では、母上にも、どうぞ毎日を、今朝のごとく、お健やかにお暮しくださいますように。……寧子も、またしばらくの留守を、たのむぞ、たのむぞ」
庭へ移って、筧の水で手を洗い、本丸の一室へはいったかと思うと、忽ち、衣服をあらため、小姓、二、三名をうしろに、書院のほうへ濶歩してゆく彼の小がらな姿が、大廊下いっぱいに映している秋