Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「はい」
「一時、上月の城は敵の手に放棄する! そして、三木城へ向っておる信忠の軍に合し、一手となって、別所長治をさきに討伐せい! ……。その上で、しばらく敵の変を見よう。そうせいそうせい」
中国戦の味方の不振は、何といっても、味方の総兵力を、三木城の攻撃と、上月城の後詰に、二分しているところに、第一の原因がある。
その一方を抛棄して、一方へ力を協せ、まず、三木城の別所一族だけを伐つ――とすれば、これは優位に立ち直る絶対方針となるにはちがいないが――
(果たして、将来の利か不利か)
という大局上の見地からは、これまでの軍議にも、しばしば、織田側のうちでも、異論のあった問題なのである。
なぜならば、今、上月城にたてこもっている尼子一族の孤軍は、織田家を頼って、数年来、その先駆的な役割を、毛利勢力圏の敵地に努めて来たものだ。それを、一朝の戦略的方針から、捨てて顧みなかったら、
(信長公とは、かかるお方か?)
と、中国の与党をして、ひとしく不安を感ぜしめ、ひいては、
(織田軍は、信頼しきれぬ)
と、大きな信望に関わって来はしまいか。
尼子勝久や山中鹿之介の党を、上月城に入れたのは、秀吉であるから、秀吉としても、当然、その憂いは抱いていたし、また情誼としても、