Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

長話に疲れたのではないか」

「いえいえ先ほどから水屋へお入りになって、お湯漬の菜を手ずからお料理され、ただ今、御飯を炊いておられますゆえ、それのすみ次第、これへ罷り出てお給仕をなさいましょう」

「なに、わしのために、飯を炊いておると」

「はい」

「このひたし物や、芋の煮たのなども、半兵衛が自分の手でいたしたのか」

「左様でございます」

「……ほ。これを」

まだあたたかい小芋の一つを口に入れながら、秀吉はまたしても、涙に瞼をあつくした。

小芋の味は、舌のうえばかりでなく、身に沁みる心地がする。勿体ない――ほどな味である。

自分の召し抱えている部下とはいえ、兵においては六韜の奥義から三略の要諦にいたるまで、ことごとくこれを半兵衛に就いて教えられたといってもよい。

平時の民治経済、人間的な修養の要なども、日ごろ座間に彼から学んだことは一通りでない。いわば彼は、表面は家臣だが、内にあっては、自分の師であるものを。

「それはいかん。体にさわるといかん」

ふいに、秀吉は杯を下におき、そして酌人を置き残したまま、台所の方へ歩いて行った。

半兵衛は、そこにいた。飯器や茶碗などを自分の手で揃えていた。