Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
いる場合、すぐ無視されたのも、あながち無理はない、また軽蔑でもない。
「――勝吉が参れぬとあれば、余人もまた、城を出るを、潔しとすまい。……というて、むなしく援軍の来るのを待つもどうか。わずか四、五日しかない兵糧を喰って」
三九郎貞昌は、再度、呻くようにいって、左右の者の顔を、一つ一つながめた。たれか、勝吉に代るべき、よい使いはないものかと物色しているような眼で。
「…………」
果てしない沈黙がつづく。
そのあいだを、搦手かどこかで小銃の音が聞える。小競り合いと見て、それには誰も動じなかったが、当面の問題には、まったく困憊のいろを漲らしていた。
強右衛門は、武者溜りの隅のほうから、のそのそと、這いすすんでいた。守将、副将のそばへ寄るほど、上席の者が座を占めているので、身を容れる余地はなかった。
「御評議中でございまするが……強右衛門から、おねがいのこと、申しあげてよろしゅうございましょうか」
人々のあいだから、低く両手をつかえて、彼の丸い背がおそるおそる云った。
守将の貞昌が、じっと、それへ眸をそそいだ。
「なんじゃ、強右衛門」
「ただ今、勝吉様へ仰せられていたお使いの役目は、御一族でなければいけませんでしょうか」