Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
「いまのうちに尼院へでもお入れ申した方が、御生涯のためである。亡き殿さまも御安心遊ばそう。このまま野育ちにしておいたら、どんな悪性の女子におなりなさるやら行く末のほどが案じられる」
と、知縁を求めて、松琴尼の許へあずけたのであった。
が、松琴尼も、大炊の生前、手紙をよこして、
「この子については、わたくしにも末始終の保証はできない。わたくし自身に師として導く資格もない。おあずかりはしておくが、ただ知人のおむすめがしばらく来ているという程度でありたい。それでおよろしければ」
と、あきらかに於通が到底長く尼院にとどまる質でないことを断って来ていた。
でも、どうやら落着いたようであり、いつか二年近くもたった。この分ならと近頃はお沢も安心していたところだった。蔓草の芽はやはり蔓となって伸びてきた。良人の大炊が生きていたら――とおもい出され、また、姫にとって自分がほんとに血を分けた母であったらこうもわがままはいわせまいに――などとも悲しまれるのであった。
「ひいさま……」
と、彼女は思い直して、すこし機嫌をとり、
「ま、こん夜は、おやすみ遊ばせ、あしたになればまたお考えも変って参りましょう」