Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで渡舟を探し求めているうち、おのれの舟を見つけたのだ」

「舟を見ながら、人間は見えなかったのか。ここは俺の住居だぞ」

「見えたればこそ起したのだ。四の五をいわずに立て。出て失せろ」

「やかましいッ」

「何を。もう一度いってみろ」

「何度いっても同じことだ。嫌だッ、嫌だッ。この舟は、くれてやれぬ」

「いったな」

小六の部下はぐッと槍の柄を引いて、槍の柄ぐるみ、日吉を岸へ引きずり上げようとして踏ン張った。

頃を計って、日吉が手を離したので、槍の柄で、柳の葉を、払いながら、小六の部下は、後ろへよろめいた。

かッ、としたらしく、

「おのれッ」

と、槍を持ち直すと、その兵は白い穂先をひらめかして、日吉の影へ、突いて行った。

腐った舟板だの、アカ汲みだの、苫などが、舟の上から飛んで来た。――その間に、

「ばかッ」

と、二度ほど日吉の罵る声も、飛んで来た。

すると、そこへ仲間の誰彼が、わらわら駈けつけて来た。そして、

「待てッ」

「何だ」

「何者だッ」

口々に云い合いながら、そこへ立ちむらがった時、さらに、小六とその部下のあらましも、後から後から駈け続いて来た。

「舟があったのか」