Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

少しでも、世のために働いたので、当然な天禄をもらうのだと、信念していた。

――今朝も。

春日井の部落で、早起きな野鍛冶の家が開いていたのを見つけ、そこで鍛冶場の掃除を手伝い、そこの飼牛二匹を曳いて、草を飼わせ、また、裏へまわって、水瓶いっぱい、水汲みをしてやったので、子持ちのおかみさんに喜ばれ、朝の飯と、昼のにぎり飯とを恵まれて来たのであった。

「……きょうも暑くなりそうだ」

日吉は、朝空を仰いで、独りつぶやいた。そうして得た飯に、きょうの露命はつないでいたが、頭のなかでは、ひとの思いもよらぬことを考えていた。

「――この天気なら、きょうもきっと、信長公は、河遊びにお出ましになるにちがいない。足軽の乙若も、きょうはお供のうちに加わる番だと、きのう話していた」

やがて。

草の彼方に、庄内川のきれいな流れが見え出した。彼は朝露にぬれた姿を、草から出て、河原に立たせ、しばらく、水の美しさに見恍れていた。

「信長公は、毎年四月から九月の末頃まで、水馬、水泳のお稽古を欠かすことなく、この辺の河へ出てなさるとのことだが……はてな、どの辺だろう。乙若に聞いておけばよかった」