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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいろうそく

新美南吉童話集

新美 南吉

Lesen Sie 新美南吉童話集 (あかいろうそく) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.131 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

そして区長さんを怨まねばならぬわけをいろいろ考えた。へいぜいは頭のよい人でも、しょうばいを失うかどうかというようなせとぎわでは、正しい判断をうしなうものである。とんでもない怨みを抱くようになるものである。

菜の花ばたの、あたたかい月夜であった。どこかの村で春祭の支度に打つ太鼓がとほとほと聞えて来た。

巳之助は道を通ってゆかなかった。みぞの中を鼬のように身をかがめて走ったり、藪の中を捨犬のようにかきわけたりしていった。他人に見られたくないとき、人はこうするものだ。

区長さんの家には長い間やっかいになっていたので、よくその様子はわかっていた。火をつけるにいちばん都合のよいのは藁屋根の牛小屋であることは、もう家を出るときから考えていた。

母屋はもうひっそり寝しずまっていた。牛小屋もしずかだった。しずかだといって、牛は眠っているかめざめているかわかったもんじゃない。牛は起きていても寝ていてもしずかなものだから。もっとも牛が眼をさましていたって、火をつけるにはいっこうさしつかえないわけだけれども。

巳之助はマッチのかわりに、マッチがまだなかったじぶん使われていた火打の道具を持って来た。