Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Lesen Sie 新美南吉童話集 (あかいろうそく) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.131 Zeichen · 96 Bildschirme
あのおどけたような、また悲しいような声をきくと木之助は何ともいえないうっとりした気持ちになるのであった。それで早くから胡弓を覚えたいと思っていたが、父が許してくれなかった。それが今年は十二になったというので許しが出たのであった。木之助はそこで、毎晩胡弓の上手な牛飼の家へ習いに通った。まだ電燈がない頃なので、牛飼の小さい家には煤で黒い天井から洋燈が吊り下り、その下で木之助は好きな胡弓を牛飼について弾いた。
旧正月がついにやって来た。木之助は従兄の松次郎と組になって村をでかけた。松次郎は太夫さんなので、背中に旭日と鶴の絵が大きく画いてある黒い着物をき、小倉の袴をはき、烏帽子をかむり、手に鼓を持っていた。木之助はよそ行きの晴衣にやはり袴をはき、腰に握り飯の包みをぶらさげ、胡弓を持っていた。松次郎はもう二度ばかり門附けに行ったことがあるので、一向平気だったが、始めての木之助は恥しいような、誇らしいような、心配なような、妙な気持だった。殊に村を出るまでは、顔を知った人たちにあうたびに、顔がぽっと赧くなって、いっそ大きい風呂敷にでも胡弓を包んで来ればよかったと思った。