Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Lesen Sie 新美南吉童話集 (あかいろうそく) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.131 Zeichen · 96 Bildschirme
帽子屋では木之助が硝子戸を三寸ばかり明けたとき、店の火鉢に顎をのせるようにして坐っていた年寄りの主人が痩せた大きな手を横に振ったので木之助は三寸あけただけでまた硝子戸をしめねばならなかった。また一昨々年まで必ず木之助の門附けを辞らなかった或るしもた家には、木之助があけようとして手をかけた入口の格子硝子に「諸芸人、物貰い、押売り、強請、一切おことわり、警察電話一五〇番」と書いた判紙が貼ってあった。また或る店屋では、木之助が中にはいって、ちょっと胡弓を弾いた瞬間、声の大きい旦那が、今日はごめんだ、と怒鳴りつけるような声で言ったので、木之助はびくっとして手をとめた。胡弓の音もびっくりしたようにとまってしまった。
もうこれ以上他を廻るのは無駄であると木之助は思った。そこで最後のたのしみにとっておいた味噌屋の方へ足を向けた。
門の前に立った時木之助はおやと思った。そこには見馴れた古い「味噌溜」の板看板はなくなり、代りに、まだ新しい杉板に「※味噌醤油製造販売店」と書いたのが掲げられてあった。それだけのことで、木之助にはいつもと様子が変ったような、うとましい気がした。