Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、この祖母、一市井人として、八十八の老婆で死んだのだが、手習師匠へもってゆく、お彼岸の牡丹餅をお墓場へ埋めてしまったのから運命が定まったのだといえば、人間の一生なんて実に変なものだ。とはいえ環境が人をつくるというが、祖母自身も、好学心がなかったのだともいえる。しかし、徳川文明の爛熟の結果、でかたんになった文化の昔、伊勢のお百姓の娘にそれをのぞむのは無理であろう。

――大庄家の娘小りんの、美目のすぐれていたことも、領主藤堂家に腰元づとめをしていた花の十八、疱痘になって、許婚の男に断わられようとしたのを、自分の方から先手をうって断わったのは幾章か前に書いた。江戸の兄をたよって江戸で暮し、東京で死んだ六十九年、彼女は三十三に私の父を抱いて、通し駕籠で故郷を訪れたきり二度とゆかない。

子供を理解しない親――それはこの現代にもざらにありすぎる。男性的気象をもったものにも赤い襟をかけ、島田髷に結わせ、箱入りの人形のように玩器物として造りあげようとする一方、白粉をつけて、しなしなしたがるような女性的稟質男子を、鉄砲をかつがせたり調練をさせたりして、此子はなんでも陸軍大将にすると力んでいるのもある。