Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
「なるほど、そりゃあ困ったね」と、半七は眉をよせた。「折角お前に助けて貰っても、あとがそれじゃあ何にもならねえ。しかし、そういう病気じゃあむやみに薬を飲んでもいけねえ。どこか閑静なところへ行って、ゆっくりと気を落ち着けていたら、自然に癒るだろうよ」
「そうかも知れません」
勘蔵はくり返して礼を云って帰った。最初から深くも気に留めていなかったので、備前屋の娘の噂もいつか半七の記憶から消え失せてしまった。その月末に、半七は三田の方角へ行ったついでに高輪の伊豆屋へ久し振りでたずねると、焼けた家は新らしく建て直ったが、主人の弥平は風邪がもとで寝込んでいた。かれは半七の顔を見てよろこんだ。
「やあ、三河町。いいところへ来てくれた。実は少し御用ごとがあるんだが、なにしろこの始末で動きが取れねえ。といって、若けえ奴らにばかりまかせて置くのも不安心だと思っていたところだが、どうだろう。おれの代りに采配を振って、若けえ奴らを追い廻してくれめえか」
「そこで、その御用というのはどんな筋だね」
「田町の備前屋という生薬屋の娘が殺されたのだ」
「備前屋の娘が殺された……」と、半七もすこし驚かされた。