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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこで、その相手は誰だか判らねえのか」

弥平の説明によると、備前屋のお絹の死骸は高輪の海端に横たわっていたのであった。海へ投げ込むつもりで引き摺ってゆくと、あたかもそこへ人でも通り合わせたので、あわてて其の儘に捨てて行ったらしい。かれは鋭い刃物で胸を抉られていた。この頃までぶらぶら病いのようなありさまで、毎日寝たり起きたりしていた彼女が、床を揚げてからまだ幾日にもならないのに、どうして夜なかに家をぬけ出したのか。そうして、何者に殺されたのか。もちろん誰にも想像は付かなかった。

「ところが、お前に見せるものがある」と、弥平は蒲団の下から紙につつんだものを出した。「これを先ず鑑定してもれえてえ」

「獣物らしいな」と、半七はその紙包みをあけて見て云った。「犬や猫じゃ無さそうだ。なんの毛だろう」

このあいだの熊が半七の胸にふと浮かんだ。その獣の毛が五、六本、死んだ娘の右の手につかまれていたというのを聞いて、彼はしばらく考えていた。

「それは子分の彦の野郎が、何かの手がかりになるだろうというので、検視の来る前に死骸の手からそっと取って来たんだ。あいつはなかなか敏捷っこい奴よ。