Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
それを知って、おかんは火のように怒って、恋のかたきのお朝を殺してしまうとまで狂い立つのを、重吉はひそかに宥めているうちに、お朝はいつか妊娠したらしいので、重吉はいよいよ困った。その秘密をまた知って、おかんは嫉妬の焔をいよいよ燃した。世間しらずのお朝は、いたずらの罰が忽ち下されたのに驚いて、自分のからだの始末を泣いて重吉に相談した。おかんもかげへまわって男の薄情をはげしく責め立てた。
お朝には泣かれ、おかんには責められ、板挟みになってさんざん苦しんだ重吉は、途方にくれた自棄半分の無分別から、お朝を説きつけて、一緒に死ぬことになった。お朝は素直に男のいうことを肯いて、近所の薬屋から鼠捕り粉を買って来た。それは六月二十三日の朝であった。今夜、いよいよ死ぬという約束で、影のうすい男と女とは長い日のくれるのを待っていると、宵からの雨がやがて恐ろしい大風雨になった。
死に急ぎをしている若い二人にとっては、この大風雨はむしろ仕合わせであるようにも思われた。女はまず約束の場所へ出てゆくと、男もあとから忍んで行った。折りからの風雨で、ほかの人達は気がつかなかったが、男のうしろにはおかんが影のように付きまとっていた。