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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

かれは絶えず男の行動を監視しているので、すぐそのあとをつけてゆくと、お朝と重吉とは蔵のまえで出逢った。

暗い物影にかくれて、おかんはそっと窺っていると、危うく消えかかる手燭を下に置いて、お朝はまず鼠捕り粉の半分ほどを一と息に飲んだ。そうして、ふるえる手先でその飲み残りの袋を男に渡そうとしたので、おかんはあわてて飛び出そうとする時、あたりは火のように明るい世界になった。おかんは夢中で小膝をついて、両手で自分の耳を掩いながら、しっかりと目を閉じてしまった。

毒薬をのんだお朝は雷にうたれた。これから毒薬を飲もうとした重吉は気をうしなって倒れた。もとより偶然の出来事ではあるが、雷はあたかも心中の場所に落ちて来て、しょせん死ぬべき女を殺し、まさに死のうとする男を救ったのであった。その驚きのなかにも、おかんは憎い二人の屍のうえに心中の浮名を立たせたくなかった。彼女はそれすらも妬ましかったので、そこらに落ちている鼠捕り粉の袋を手早く隠してしまった。それから家内の人々を呼んで、この恐ろしい出来事を報告した。

雷に撃たれた二人がこの時どうしてそこにいたかということが、まず問題とされなければならなかったが、奥の便所へ通うには蔵の前を通らなければならないように出来ているので、お朝がここに倒れていたのは便所へ行く途中であったらしく