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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

と、半七は笑いながら訊いた。

「さあ」と、惣八もすこし考えていた。「そんなことは知りません。其蝶は師匠の家へ足を近く出入りはしていますが、まさかにそんなことはないでしょう。風流一方に凝りかたまっている偏人ですからね」

「あの宗匠は都合がいいかえ」

「相当に名前も売れていて、点をたのみに来るものも随分あるようですから、困るようなことはありますまい。いい弟子や、いい出入り先もありますから、内職のほうでも又相当の収入があるようです」

「内職とはなんだえ。掛物や短冊の売り込みかえ」

「まあ、そうです」と、惣八はうなずいた。「わたくし共もときどきに持ち込みますが、筋のいい物でさえあれば大抵どこへか縁付けてくれます」

「おまえさん、この頃に何か持ち込んだかえ」

「へえ」と、惣八はなんだか詞をにごしていた。

「隠しちゃあいけねえ。正直に云ってくれ。ほんとうに何か持ち込んだのかよ」

「芭蕉と其角の短冊を持って行きました」

「それだけかえ。そうして、それはどうした」

「どうも筋がよくないというので、取り合ってくれませんでした」と、惣八はにが笑いをした。

店さきのうす暗い行燈のひかりで、半七はその顔色をじっと睨んでいたが、やがて少しく形をあらためた。