Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
もっともそれは無理もありませんので、大抵の使いにはほかの小僧を出して居りますが、当人も別に病気というわけでもございませんから、家の内ではいつもの通りに働いて居ります。御用があるなら唯今呼んでまいりましょうか」
「いや、呼んじゃあまずい」と、半七は首を振った。「うら口へまわって、そっとのぞくわけにゃあ行きませんか」
「よろしゅうございます。ちょうど夕方でございますから、台所ではたらいて居ります筈です。どうぞ隣りの露路からおはいりください」
利八に教えられて、半七はせまい露路の溝板を踏んでゆくと、この二、三日なまあたたかい天気がつづいたので、そこらではもう早い蚊の唸る声がきこえた。半七は手拭を取って頬かむりをして、草履の足音を忍ばせながら、河内屋の水口に身をよせていると、ひとりの若い女が手桶をさげて来た。うす暗い夕闇のなかにも其の白い顔だけは浮き出してみえた。と思う途端に、彼女はそこに忍んでいる半七の姿を見付けてあわただしく小声で訊いた。
「徳さんかえ」
徳さんという男の地声を知らないので、半七は早速に作り声をするわけにも行かなかった。かれは頬かむりのままで無言にうなずくと、若い女は摺り寄って来た。