Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
しかし、彼等はいかに眼を大きくして睨んだからといって、それだけでは決して相手に感応させるわけには行かない。それにはかならず、強い感情を伴わなければならない。妬む、憎む、怨む、羨む、呪う、慕う、哀む、喜ぶ、恐れる。そうした喜怒哀楽の強い感情がみなぎったときに、かれらの眼のひかりは怖るべき魔力を以って初めて相手を魅することが出来るのである。したがって、彼ら自身も故意にその魔力を応用することが出来ない。あいつを一つ苦しめてやろうなどと悪戯半分に睨んだところで、決してその効果はあらわれない。要するにそれは彼の心の奥から湧き出してくる自然の作用で、自分自身にも無理に抑えることも出来ず、無理に働かせることも出来ず、唯その自然にまかせるほかはないのである。この村の者がほかの土地の者と結婚しないのも、この不思議な血統が主なる原因であった。
徳三郎も初めてお熊に逢ったときに、この怪しい熱病に苦しめられて、お熊の手あつい看病をうけた。病いが癒ってから其の秘密を発見したが、今更どうすることも出来なかった。捨てて逃げようとしても、お熊はどうしても離れない。それを無理にふり放そうとすれば、お熊の睨む眼が怖ろしかった。