Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
奥へ通ると、主人夫婦は陰った顔をそろえて半七を迎えて、かの張子の虎というのを出してみせた。虎は亀戸みやげの浮人形のたぐいで、背中に糸の穴が残っていた。半七はその小さい虎を手のひらに乗せて、その無心にゆらぐ首をしばらくじっと眺めていたが、やがてそれを膝の前にそっと置いて、煙草を一服しずかに吸った。
「この虎はお駒の物じゃあないんですね」
「お駒の部屋にそんな物はなかったようです」と、主人は答えた。「お駒に限らず、この二階じゅうで誰もそんなものを持っていた者はないと申します。どこから誰が持って来たのか、一向にわかりません」
「ふうむ」と、半七も首をかしげた。「だが、これは大切な品だ。これがどんな手がかりにならねえとも限りませんから、どこへかしっかり預かって置いてください」
「大切におあずかり申して置きます」
それから与七に案内させて、半七は二階中をひと廻り見てあるいた。表二階から裏二階へまわって、お駒の部屋も無論にあらためた。部屋は三畳と六畳との二間つづきで、六畳の突き当りは型のごとく子窓になっていた。去年の暮あたりに手入れしたらしい※(「木+靈」、第3水準1-86-29)子はそのままになっていて、外から忍び込んだ者があるらしくも見えなかった。