Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
そのおひるすぎのことです。床の上で雑誌を読んでいると、障子の外からお母さんの声がしました。
「一太郎や、高橋さんがね、お前をおみまいに来て下すったのですよ」
そして、障子がすーとひらいて、そこへ大学の制服を着た高橋さんの、にこにこ顔があらわれました。
「やあ、一太郎君、風をひいたんだってね。でも、もうすっかり元気らしいじゃないか」
高橋さんはそういいながら、そばにすわりこみました。
「うん、もういいんです。僕、起きたくってしようがないんだけど」
「お医者さんと、お母さんが、いけないっておっしゃるんだろう。ははは……、まあ、今日一日だけがまんするんだね」
高橋さんと一太郎君は、年はずいぶんちがっていましたけれど、まるでお友だちのように仲よしです。
一太郎君は一人でたいくつしていたので、高橋さんの顔を見ると、急におしゃべりになって、いろいろなことを話しましたが、やがて、高橋さんに、いつものおねだりをはじめるのでした。
「ねえ、高橋さん。何か問題を出してくれない」
「ほーら、はじまった。君は病気で休んでいても科学少年なんだね。よし、それじゃ一つむずかしい問題を出すよ」