Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
高橋さんはそういって、しばらく考えていましたが、何かいいことを思いついたようすで、にこにこしながらはじめました。
「君は、さきおとといの晩、お湯にはいったあとで、北村君のところへ、模型飛行機の設計の相談に行ったんだってね。その時、道で寒い風にふかれたのがもとで、風をひいたんだってね」
「うん、そう。あの晩は、とても風がひどかったもんだから」
「さあ、それが今日の問題だよ。風にふかれると、なぜ寒いんだろうね。わかるかい」
「え、風にふかれるとなぜ寒いかって」
一太郎君は、あっけにとられたような顔をして、高橋さんを見つめました、何かむずかしい問題が出るかと思ったら、あんまりやさしいのでびっくりしたのです。
「空気が早く動くと風になるんでしょう。そして、寒い方の空気がこちらへおくられて来るから、風が寒いのでしょう」
そう答えて、一太郎君は心の中で、なあんだ、こんな問題ちっともおもしろくないじゃないかと考えるのでした。
「ようし、それじゃ一つ、おもしろい実験をやってみよう」
高橋さんはそういって、一太郎君の机の上から一枚の紙を取ると、くるくると丸めて、巻たばこより少し細いくらいの、長いくだを作りました。