Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
一年中僅に一度ほんの花どき一時の浮きたる行楽のために、国家の発展する経済上の趨勢を支止めるなんてそんな事は出来やしない。行楽が重きか経済進展が軽きか三歳の童子でも判断が付かー。
そこで愈よ新に名所を造るとすれば土質桜に適し、かつ永久に何物かからの脅威もなく、その四周が景致に富み、何れから行くにも便利な土地を選び、その地域を極て広大にしこれに我邦に在る全部の桜の種類を蒐め種うる事である。その桜の各種少くも百本位は必ず同種のものの苗木を用意して適処に植え、その中でもヤマザクラ、ソメイヨシノなどは数万本も用意し、またヒガンザクラ、エドヒガン、シダレザクラなどは数百本あるいは数千本用意してこれを植うる様にする。この様に大規模にしてこそその場処が桜の名所となって永久に遺り、また日本はおろか西洋諸国へまでもウタワレルようになるのだ。桜の国などと自慢するには自慢するだけの用意があってしかるべきであるのに、今日の様な貧弱さでは何ともかとも仕様が無い。費用が入るって、真剣にやる気ならそれは何んとかなるよ。
桜の種類を蒐めるには日本国中の隅々までもアサル事だ。そして既知の種類も隠れた種類も皆拉し来て右の一大桜の名所へ植え、ここへ行けばどんな桜でも見る事が出来る様にする。